
1日30分のゆるい独学でFP2級に合格!教材と勉強方法をご紹介
2級ファイナンシャル・プランニング技能検定(以下、FP2級)は人気の国家資格です。一定水準のマネーリテラシーを示す資格として、対外的に信頼性も得られます。
「1級ほど突き詰めたくないけれど、金融関係の資格を何かしら取りたい」と考える方にはおすすめできる資格です。しかし、学習すべき範囲が広く、社会人の方はまとまった勉強時間を取りにくいものです。
「帰宅後はやる気が出ない……」「テキスト買ったけど三日坊主で終わった……」このような経験をお持ちの方は多くいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで当記事では、1日30分目安の独学を繰り返して、2026年2月17日をもってFP2級に合格できた私の合格体験記をお届けします。おすすめ教材、勉強方法を参考にしていただければ幸いです。
独学でFP2級に合格できる理由は?
FP2級は独学で合格可能です。通信講座や予備校に通わずとも、1日30分の独学で知識の定着と試験対策まで、十分にカバーできます。その理由は、FPの試験範囲、試験問題に隠されています。まずはこの章で、「合格できるかも」という感覚を掴んでみてください。
全範囲を体系的に学習しやすい
- ライフプランニング
- リスク管理
- 金融資産運用
- タックスプランニング
- 不動産
- 相続・事業承継
上記がFP2級の試験範囲です。それぞれが体系的につながっているため、一周分のインプットが終わる頃にはぼんやりと全体像が理解できるようになります。
たとえば、「タックスプランニング」の分野はその他の全範囲と関連します。老齢基礎年金は雑所得、生命保険の解約返戻金は一時所得で課税される……といった例です。
つまり、ある分野の学習を進めると、他の分野の予習、復習も同時に進められます。時間が限られる社会人の方にとっては、効率よく勉強を進める上で大切な要素です。
一般知識や読解力だけで解ける問題がある
試験勉強=暗記、のイメージを持つ方は多いと思います。しかしFP2級の問題には、暗記せずとも答えをその場で導き出せるものがいくつか存在します。
年金や保険の仕組みに関わる設問は、身近な一般知識として答えられる場合があるでしょう。金融機関や不動産業界で仕事をされている方は、業務で扱う知識がそのまま出題されるケースもあります。
関連記事:「全フリーランスが労災保険に加入できる今、Webライターが補償を受けられるケースは?」
実技の計算問題では、参考資料を読み解いて計算する作業が求められます。なかには計算式を情報として与えられる設問もあるため、読解力のみで回答できます。
このように、暗記に頼らずとも得点を見込めるのがFPの面白さだと考えます。
生活に役立つ知識を学ぶモチベーションになる
FPの試験範囲はどれも実用性が高い分野です。お客様の資産形成や資金計画をサポートする存在であるため、日常生活で触れる可能性のある論点が多く盛り込まれています。
国民年金・厚生年金・健康保険料……これらは毎月の給与から差し引かれる社会保険料ですが、FP2級の学習を進めることで、所得控除や資産形成の面でのメリットが見えてきます。
また、少子高齢化が進行する現代では、相続・贈与の発生も身近な論点といえます。ライフイベントが突然起きたときに、「冷静に情報を整理できる」ことが求められるのではないでしょうか。
FP2級の取得は、実務とプライベートの両面で役立ちます。
おすすめの教材
FP2級の学習時に活用した教材を紹介します。いずれも基本無料のサービスを利用させていただいたので、合格に至るまで教材費の発生は0円でした。CBT受験を見据えて、ネット教材を積極的に活用しましょう。
お金の寺子屋
1つめはwebスクールの「お金の寺子屋」さんです。講義動画から過去問演習まで、無料コンテンツを発信されています。
私は、主に初期のインプット段階でこちらのサイトを利用させていただきました。YouTubeに投稿されている講義動画がとても分かりやすく、論点への理解が深まりました。
テーマごとのプレイリストがあるので、1日30分ペースでの小分け学習が進めやすいです。動画の視聴後は、一問一答形式の練習問題ですぐに復習できます。
FP2級ドットコム
2つめは「FP2級ドットコム」さんです。膨大な量の過去問が用意されており、直感的な操作で演習、復習ができます。
こちらのサイトは、インプット後の問題演習、試験直前対策に利用させていただきました。過去問の絞り込み機能が便利で、ニーズに合わせた的確な対策が可能です。
ランダム出題の模試を解くと、6分野それぞれの正答率がグラフで可視化されるので、本番に向けて対策が必要な弱点を把握しやすいです。
テキスト、問題集は買わなくてもOK
市販のFP2級用のテキストや問題集を無理に買わなくても、十分に合格水準まで到達できると考えます。とくに、前述した2つのサイトを活用すれば、インプット〜直前対策まで試験勉強の全工程をカバーできます。
一方で、試験勉強は紙ベースで作業したい、と考える方もいらっしゃるでしょう。その場合は、市販のテキストや問題集が便利です。重要な点は、自分の学習スタイルに合わせた教材を利用することです。
おすすめの勉強方法
先ほど紹介した教材を踏まえて、効率よく知識を定着させる勉強方法を紹介します。重要なのは、インプットした記憶が薄れないうちに問題演習で復習することです。難しい論点は、AIも活用しながら学習を進めましょう。
講義動画の視聴→論点ごとに問題演習
インプットの段階では、講義動画の視聴がおすすめです。耳で聞き取りながら適宜手を動かすことで、各論点への理解を着実に深められます。
動画の視聴後は、なるべく早く練習問題を解きましょう。動画内で出現した制度名や計算式が本番ではどのような形で使われるのか、実践で把握できます。
講義動画の活用は、1日30分の勉強とも相性がよいです。「今日はここまで」と明確な区切りを設けることで、自分のペースで続けられます。
苦手分野をピンポイントに過去問演習
全範囲の学習が終わったあとは、過去問演習の繰り返しをおすすめします。前述の「FP2級ドットコム」を使うと、分野別・年度別などさまざまな分類で演習できます。
不正解だった問題は、その場で解決を図りましょう。正誤問題で問われる論点はある程度似通った内容になるため、数年分の過去問を解くと傾向が見えてきます。
しかし、1日30分ペースを想定すると、毎日1回分の過去問演習は難しいです。筆者の場合は、学科60問分を3日に分けて解くなどの工夫をしました。
AIとの壁打ちで理解を深める
保険制度や法律が絡む論点は日本語として堅い表現が多く、講義動画や過去問の解説を参考にしてもなかなか理解できない、という場合があると思います。
そこで有用なのが、対話型AIです。専門用語や制度の仕組みを噛み砕いて表現することに長けており、何度も質問を繰り返すことで理解が深まります。
しかし、法令が絡むとAIは誤情報で回答する場合があります。誤った知識を覚えてしまうと本試験に悪影響が出るため、必ずファクトチェックは行いましょう。
1日30分の独学を続けると何ヶ月で合格できる?
当記事では、目安として「1日30分」の勉強を想定しています。短期集中型の勉強よりも、ゆるいペースで勉強を進めたい方向けに、合格までのおおよその所要時間をお伝えします。学習計画を立てる際の参考にしてください。
毎日サボらずに続けると3〜4ヶ月で可能
1日30分を毎日続けると、1ヶ月で900分の学習時間を積み上げられます。15時間相当と考えると、かなり大きな数字に感じられるのではないでしょうか。
「30分×30日=900分(15時間!)」
もちろん個人差はありますが、1ヶ月15時間のペースを想定すると、インプットに約2ヶ月、問題演習に約1〜2ヶ月で、合計3〜4ヶ月の学習時間(つまり、45時間〜60時間)です。
ただし、FP2級の試験範囲に全く触れたことがない、完全未経験の場合は、もう少し時間が必要でしょう。
1日30分のペースを維持するには
ここまで何度も「1日30分」を強調していますが、忙しい社会人の方にとって、コンスタントに毎日30分を確保することは難しいかもしれません。帰宅が遅くなった日や、モチベーションが上がらない日は当然出てくるものです。
「必ず1日30分」ではなく「アベレージで1日30分」を目指しましょう。例えば、全く取り組めなかった日の翌日に60分勉強するような工夫です。
また、1日の中で小分けにして30分を積み上げる方法もおすすめです。通勤中10分、退勤中10分、寝る前に10分……のように進められます。
かなりサボった筆者の場合……
恥ずかしながら、筆者の場合は「1日30分」ペースを維持できませんでした。特に副業で手持ち案件が重なったときなどは、1週間まるまる手付かず、といった場合もありました。
しかし、1年ほどかけて地道に知識を積み上げ、この度の合格に至りました。体感ですが、FPの論点は時間が空いても忘れにくい気がします。
公式の試験日が明確に定まっていれば、そこに向けて勉強を進めるのみですが、CBT形式でいつでも受験できるがゆえに、ついダラダラしてしまう側面はあります。
受験前のちょっとしたテクニック
問題演習を重ねたあとは、いよいよ受験本番です。ここでは、受験直前に押さえておきたいちょっとしたポイントを紹介します。60%の正答率さえ取れれば合格できるため、少しでも可能性を高めるために工夫しましょう。
CBTの操作、会場の環境に慣れておく
FP2級はテストセンターに出向いてCBTでのネット受験となります。試験前にCBTのレギュレーションを把握しておき、操作環境に慣れるとスムーズに受験できます。
特に注意すべき点は、電卓を持ち込めないことです。試験対策の際に電卓を多用していた方は、CBTの画面上に表示される電卓の扱いに慣れておきましょう。
また、試験会場の立地を事前に把握しておくことも大切です。オフィスビル内にある場合、初見だと分かりづらい場合があるためです。
CBT形式で受験できる資格として、日商簿記の受験もおすすめです。
関連記事:「【独学でも合格可能】簿記の資格で転職を成功させよう」
学科と実技は別日受験がおすすめ
スケジュール的に可能であれば、学科と実技の試験日時を分けることをおすすめします。学科120分と実技60分を1日でクリアするには負荷が大きいためです。
私は学科のちょうど1週間後に実技を受験しました。実技の受験前に最後の追い込みができるうえに、フレッシュな頭で計算に臨めた点が良かったです。
同日に両方受験して片方だけ合格、となると心理的ダメージも大きくなるのではないでしょうか。万全の態勢で両方受験するようにしましょう。
全範囲を無理に追いかけない
FP2級で求められる知識は多岐にわたります。難易度の高い論点や出題頻度の低い論点は、ある程度諦めるといった取捨選択も大切です。
一方、毎回確実に出る分野の問題もあります。その部分の演習には力を入れて、必ず得点を取れる分野として武器にしましょう。
試験対策としての過去問演習は、本試験での頻出分野を知るための作業でもあります。トータルで60%以上取れるように、全体をデザインしましょう。
まとめ
今回は、ゆるい独学でFP2級に合格するための工夫について紹介しました。FP2級は幅広い知識が要求される資格ですが、試験範囲はどれも体系的につながっています。お互いの関係が把握できれば一気に理解を深めやすいです。
ネットで利用できる無料教材は独学との相性がよく、それだけで試験対策を完結できます。あくまでも平均で「1日30分」の勉強時間を確保する意識で取り組んでみましょう。
私の実体験を多大に含んだ内容ではありますが、今回紹介した方法がFP2級受験者の方にとって少しでもお役に立てば幸いです。
Photo by Unseen Studio(Unsplash)




